2008年12月アーカイブ

新景観政策でマンションがさまざまな意味で混乱しはじめているのですが、特に「不適格マンション問題」については、立命館大学の産業社会学部、文学部の学生、さらに大阪市立大学大学院生などから、研究テーマとして取り上げたいとの、協力依頼があり、うれしく思いました。

この秋は龍谷大学経済学部学生が卒論のテーマにし、その発表会で見事、優秀賞を得たとメールがありました。うれしい限りです。私が提供した資料が丁寧に引用され、まとめられていました。立派な研究だとともに喜びたいと思います。

新景観政策はともすれば、情緒的に流れています。この政策を成功させるためにも、既存マンションを放置しておいてよいわけないでしょう。学生たちがバランスをもって、この政策を評価しようとするのは敬服します。

12月19日、本年最後の京都不動産コンサルティング協会の例会。

市況交換では、この不況について、だれも底打ち時期を予測できないようでした。私は京都市都心4区(上、中、下、東山)におけるマンション在庫(販売中の物件総数)が300戸台を推移しており、在庫減少のめどがたたない状況であることを報告しました。これまでは、価格がピークをうち、在庫調整が始まると、在庫数が減少傾向をたどったのですが、今回は価格調整が進んでいるのに、在庫が減らないのです。

これはさらに価格が低下するであろうことをしめしています。先行きが読みにくい理由の一つでしょう。

12月17日、彌光庵にて旨酒の会例会がありました。

「くどき上手」のしぼりたてが今年一番の新酒として披露されました。50%精米の「大吟醸」に匹敵。やさしい、ふくらみがある、辛口ながら甘さがあり、その甘さの中に旨さがある。

「明鏡止水」、長野県佐久平の逸品。当たり外れのない安心して呑める。香りが高く、上品でやさしい。佐久の大沢一族の醸造、相当ベテランの作品。

例会では初めての「奥播磨」、あっさり、辛口、うまさがあって辛口。

「奥播磨」は私も初めて、上等のお水を呑んでいるような心地でした。すーっとのどに入っていきます。

以上が師匠、酒道家元の滝本さんの一言解説。

来年は1月14日開催。ゲストをおよびする段取りです。

また、2月頃、嵐山で舟を借り切って、という趣向を検討しています。お楽しみにしてください。

買い手市場へ移行

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12月18日、マンション流通協会運営委員会。

積和不動産、京阪電鉄不動産、ゼロ・コーポレーション、ハチセ、エイ・アンド・エフ、アンショウ建設、マミヤ、RSTの各社が出席。

マンションは都心では2000万台、郊外が1000万台が売れ筋。坪単価は都心で@140万から160万、郊外では@100万前後。

在庫が11月末、高水準にあるので、市場は完全な買い手市場となっています。買い手市場とは、まず物件の下見が一度に5~6件できて、比較検討できることです。売物件のほうが多いと、買い手に価格決定権がありますので、指値と言って売出価格にたいして希望価格をぶつける事ができます。

消費者は絶好のチャンス、担当の営業社員の的確なアドバイスを受け、満足のいく買い物をしてください。

不動産市場、縮小

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12月のF1例会が16日開催されました。地元有力企業7社の本年実績見込みを2006年と比較すれば、件数で2割以上、取扱高で3割以上の減少となっています。件数は売買成約件数、取扱高はその売買価格です。

住宅を中心とした不動産市場は価格の低下と買い手の減少のダブルパンチに見舞われています。各社とも、2009年もさらに厳しくなると予想しています。

12月9日、マンション管理評価委員会の第4回会合。

管理を評価するべく、その項目がほぼまとまりました。マンション管理といっても一律の基準で優、良などと決めることはできません。マンションはそれぞれ、個性的で管理の手法も多彩なのです。そこで、管理を評価する項目を複眼的に構成し、多様なマンション像を浮かび上がらせようと苦心しています。

さて、管理評価の初期段階として、大まかに3項目を設定する案が検討されています。

ひとつは管理規約。規約が旧住宅金融公庫の7項目の基準に合っているかどうかをチェック。実際には、この基準すらなかなかクリアーできないのです。

もうひとつは積立金制度があるか、借り入れはないか。積立金制度がないマンションがまだ、ありますし、いきなり、借入金で大規模改修工事をするようなところもあります。

最後は、大規模改修工事の実績。15年以上で1回は、30年以上なら2回はとチェックしました。ところが30年を超えるようなマンションの改修履歴がそろわないのです。仲介の現場にも問題がある事がわかりました。重要事項説明書において、工事履歴を10年から5年ていどの記載で済ませているのです。

こうした仲介の現場を変えるには、消費者が中古マンションを購入しようとする時に、改修履歴や積立金、規約にもっと強い関心を抱き、仲介する営業社員に調査を求めるようになってほしく思います。

鶏が先か卵が先か、難しいところですが、まず情報公開の流れを生み出し、管理評価に対する消費者の期待が出てくれば、しだいに管理評価が定着するでしょう。

消費者が管理評価に強い関心を持つようになって、ついで仲介業者が管理評価に敏感になっていき、そして、管理組合なかんずくマンション住民が管理レベルのアップにいっそう努力するようになっていく、その逆の循環も大いにあるでしょう。管理評価に熱心なマンションも少なくありません。管理と流通、そのよい循環、まったく新しいマンションの時代が京都で開かれることになりますね。

11月27日、月1回の不動産流通懇談会。この懇談会は地場大手の企業経営者を中心に、不動産市況を分析、各種情報を交換しています。バブルの前から、30年近く続いています。

上場企業の経営不振が話題になりました。在庫の過剰がウイークポイントになっています。不動産会社はどこも、株価がやすくなっていますし、不動産業界に貸し込んだ関西アーバン銀行など、金融機関の株価も安くなっています。

在庫処分は「新価格になりました」という広告でわかります。新価格とは広告規制で許されるギリギリの表現なのです。値下げとは書けないのです。

ところで、在庫を新価格にできるのは、安い価格で仕入れができるからです。なぜなら、商品を売って損がでるだけなら、すぐに行き詰まるでしょう。新価格で売るためには、利益のある商品を並行して売っていかねばなりません。そして、それができるのは融資を受けることのできる力のある企業に限られてくるのです。

新しい仕入れができないと、新価格で売っていけないのですから。

新築マンションの完成在庫は大幅な値下げ競争が始まっています。モデルルームに行くと、7000万台が1000万も値引いて、6000万台とか提示してきます。手付放棄しようか、と迷いの相談も増えてきました。

一方で、現金を持っている人は絶好の買い場を待っているという様相です。不動産業界でも、在庫処分がすすんだところから、元気を回復し、次の市場をリードするでしょう。

今年、特に依頼されて、狩野さんとともに住友信託銀行京都支店不動産部「いずみ会」の幹事を引き受けていました。本年の幹事の役割は40周年記念行事の挙行でした。40周年記念行事は、11月13日、大勢の会員、社員やその家族が集まって、大いに盛り上がり、大役を果たせてほっとしています。

私は中締めで、次のようにあいさつしました。

 皆様にお礼を申し述べたい事がいくつかあります。

まず、当会にまだ創業間もない当社が入会できたことです。当時、住友信託銀行京都支店には伝説的な人物、磯田さんがおられ、そのスタッフに、上山さんと森田さんが。東京へ引越しされましたが、今も親しくしている西野花子さんは磯田さんの紹介のお客様です。たまたま、11月24日お会いする西野さんとは家族ぐるみのお付き合いが続いています。もちろん、磯田さんのことをお話ししました。

磯田さんは、取引先のアヤハの抵抗を押し切って、上山さんを京都支店に迎えいれた人です。上山さんはそれ以後、いずみ会の運営に携わり、今日までの交流が持続されたのでした。磯田さんは見る目が合ったということですね。森田さんは関連会社のすみしん不動産で活躍されてラレます。上山さんと森田さんには、二度の結婚式の司会を引き受けていただきました。お2人の友情に感謝します。

本日は両親が参加させていただきました。両親はことし、85歳、バブル崩壊後の激動をじっと見守ってくれました。今日は私がこのような立派な会でしっかり、司会を務めているところを見たいただ、少しは安心してもらいたく思っています。有難うございます。

父親は会場を盛り上げたバンドに、おひねりを渡しています。感情をうまく相手に伝える事ができる人です。この会の大先輩たちにも、父親のようなところがあると思います。親たちに教えてもらって始めてできることでしょう。

不動産の仕事も、縁をつくって、その縁を大切に育てていくようなところがあります。

本年、いずみ会の例会で市況情報を交換しましたが、幹事の仕事を終えて、このような会合とのお付き合いもいよいよ、終演です。私も不動産業、40周年目前、若い世代と、主役交代です。

 

11月19日、彌光庵で例会。

「くどき上手」は町人町、酒田が育てた銘酒。庄内平野の奥まったところ、出羽三山のひとつ、羽黒山のふもとで生まれました。

落ち着きがあり、貴賓を感じさせる、香りと軽快な余韻をたのしめると。

今回の「浦がすみ」は1年に1回、11月にしかでない銘酒。

「鳥海山」は東北一、すっきりとしておすすめ。

「秋鹿」は一番、うまい。

以上が滝本さんの解説。

私は「くどき上手」が好きです。これは美味しいと思います。いくら呑んでも呑み飽きないのがすごいです。

小山彰太トリオ

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11月1日、ライブスポット「ラグ」で小山彰太トリオのライブがあって、大学時代の先輩たちを誘って。

小山彰太のドラムはこれまで、くりかえしきいていたが、今回は共演者を引き立たせようと控えめで、それがかえってよかったのでしょう。ピアノはスガダイロー、熱いピアノは聴衆をとりこにしました。ベースの川村竜は即興を盛り上げ、ジャズフアンをうならせました。先輩たちもすごいと、堪能していました。本当によかったと。

聴衆は30人ほどでしたか、この演奏は値打ちがあると思いました。もったいない。次回はもっと早く連絡して下さい。フアンがたくさん、集まるでしょう。

 

クリムトと田中直子

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いつも、キャンパスいっぱいに大きな樹木を描いている田中直子さんから招待状をいただいて京都市美術館へ。

とにかく、巨木なのです。力強く生命あふれる絵です。

そのあと、日経新聞、2008年11月24日夕刊、詩人の長田弘さんが「樹の絵十選」を連載。クリムトの「公園」を紹介していました。

   グスタム・クリムトの「公園」は、不思議な絵である。そこにはない風景が、そこにあるように描かれている。深い木立の公園である。木立の下には人影はない。絵には、空がない。かつてこの世の高みには、澄んだ天空があった。いまそこにあるのは、虚空だけ。絵いっぱいにあふれる木立の緑は、その虚空を蔽っている。-------風景画家の仕事は、風景の奥にある語りえぬものを描きとることである。「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」。画家とおなじウイーン育ちの哲学者ヴィトゲンシュタイインの言葉を思い出す。-----あらゆる音が降ってくるのに、何の音もしないような。時が過ぎてゆくのに、時が止まっているような。すべて外部の光景であって、何もかも内部のような光景のような。

田中直子さんは当社でマンションを買っていただいたお客様。紹介者は折田先生。また、ヒルゲート経営者の人見さんが彼女を後援。今度は旨酒の会にお誘いしようと、彼女は酒豪だそうですから。

朝日新聞、11月1日朝刊、「在日」作家、立原正秋 民族名の小説発見という記事が目にとまった。

   立原は世阿弥に傾倒、能など中世の美を文化の粋とし、それを失っていく高度成長期の日本社      会  を批判した。両親とも日韓混血としていたが、2人は朝鮮人で、晩年には自らの民族名を金  胤 奎  と明かしていたともいう。

 立原が気になったのは実は、今年亡くなった岡部伊都子 さんが立原と親しかったという話を随分昔、出版関係者から聞いた事があるからです。彼女が「在日」問題に深くかかわったきっかけはおそらく立原との交友関係があったからでしょう。立原は京都が大好きでよく訪れたそうですし、器の趣味も玄人はだしだったと言います。器も古寺も戦争も2人が語り合うテーマは尽きなかったでしょう。ふたりの交友は文学史上の謎にしておきたいと思います。

この2人のことが意識されてたのかどうか、永六輔の「女ひとり」の歌は、岡部伊都子さんがモデルとか。1966年は立原が40歳、岡部さんが43歳。2人の著書にそれぞれ、ふたりの交友が反映されているように思われます。着物がよく似合う素敵な女性だったことでしょう。立原は公には出自を明かさなかったのですが、彼女には率直に話したのでしょうね。謎のまま、立原のことを秘めて彼岸に旅立ったのですね。

   父は李朝末期の貴族の出とあるが、実際にはそのような事実はない。年譜をも創作しなけれ  ばな  ら なかった彼の弧絶された深淵は計り知れない。(「文学者掃苔録」)

当社創業期の頃以来、30年以上のお付き合いがあった、西京都住宅の瀬川さんが亡くなられて、奥様から、「不動産の有効活用の相談」がありました。初めてお会いしたのですが、年賀状をかかさず交換していたこともあって、親しく感じられたようです。

そのマンションで内装のうちあわせをしたところ、塚本明美さんがインテリア専門家として立ち会われたのでした。なんと、塚本さん、昔、左京店で地域コミュニティ誌を発行していた時のスタッフ、お見逸れしました。なんという偶然でしょうか。瀬川さんから聞いていて、今日私と会えるのを楽しみにしておられたようです。

その塚本さん、地域広報誌を主宰、その縁で京都経済短期大学が行っているネパールの子供たちに文具を届ける活動に一役。塚本さんの高校の先輩が父親の文具店の在庫をその活動に提供されたのだそうです。先輩の父親は交通事故で重傷、いつか再開をと商品を処分しないで保存していたのです。

塚本さんの活動が彼女の写真とともに京都新聞10月29日におおきく報じられていました。

若者と家族の会

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仕事(不動産仲介)で知り合ったお客様は数え切れません。会社のお客様がのべ1万組を超えるのです。立派な活躍をしておられる方も多いのです。お一人紹介します。

牧圭子さん、本店近くのマンションにお住まいで、親しくなりました。たまたま、ある会のあたらしい事務所をオープンされた折、当社とご縁を重ねることになりました。牧さんは脳に損傷を負った娘さんがあります。娘さんをはじめ、おなじ境遇の方が集まって「若者と家族の会」を作り、ボランティア活動を進めています。牧さんは音楽教室を主宰、娘さんも音楽をたしなんでおられます。この会は設立5周年だそうです。牧さんのことを詳しく知ったのは、10月23日の京都新聞の記事からでした。新聞は大切な情報手段だと思いました。

親鸞 今様 謡

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京都新聞で連載中の「親鸞」、最初は説明的、描写が細かく、読み飛ばしていましたが、最近はとみに面白くなってきました。「うたえば信じられないほどの声量と、美しい音色がきく人を魅了してやまないのは不思議である。」と、五木寛之が音経、読じゅする当時の仏教社会、世相を表現しています。実は独特の節回しで、いくたの欧米人をトリ子にした謡は、当時の流行歌ともいうべき「今様」に起源を発するようです。歎異抄のチューター、ジュゴンのアドバイスです。謡には宗教的、とりわけ浄土宗の影響をうけている表現がくりかえしでてきます。謡と浄土宗、真宗教団は密接にむすびついていたのではないかとさえ、思います。

そうであれば、歎異抄の「善人なおもて往生す、いわんや悪人をや」が読み解けるでしょう。まるで流行歌を歌うように、親鸞は声をだし、そらんじて、民衆に説いたのですね。

私は今、偶然、謡を習いながら、歎異抄を勉強し、五木寛之の「親鸞」を読んでいるのです。いつも、胸ポケットに入れている家内が書いた、一文は次のような内容です。

無上甚深微妙の法は、百千万劫にも遭遇うこと難し。我いま見聞し受持することを得たり。願わくは如来の真実義を解したてまつらん。

これは大きな声で、そらんじて歌うものでしょう。歌にはや教えがあるのです。悪人正機説に説得力があるように見えてきました。

「人間の内在性により世界は構築される」(杉村昌昭)。

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